2010年12月31日金曜日

● ミスター"Q"の世界(ジャズ寄り)。



This is how we feel about "Q" (Q~生誕70周年記念ベスト)/ Quincy Jones



  

これはうれしい企画盤だ!
ブラックミュージックのゴッドファーザー、クインシー・ジョーンズのおいしいとこどりな1枚。
はじめてQのすごさを感じたのはベイシーの"This Time By Basie"。
「ドカーン!」というベイシーのグルーヴはそのままで、
おなじみの曲を都会風の聴きやすいアレンジされたサウンドがカッコよかった。

『オースティン・パワーズ』の'Soul Bossa Nova'(1-#5)や、
最近では『キル・ビル』の'ironside'(2-#3)など、一般的にも有名な曲が多い。
しかし不思議なのは、'Take Five'に'The Sidewinder'、'Moanin''などの
「超」や「ド」がつく名曲が、特に奇を衒ったアレンジをしているわけでもないのに、
十分「聴ける」音楽になってること。
これがすごい。
J-POPをinstrumentalにするみたいな感じで、
そのままやるとダサダサになるから、たいてい大胆なアレンジをするものだけど、
直球なビッグバンドアレンジを施して聴いてて楽しい音楽になってるのはさすがだな~。

こうして書いてると、単なる器用な人なだけのように思えてくるけど、それだけじゃない。
たまに垣間見える「狂気」が最大の魅力だったりする。
たとえば、この2枚組のでうと、2-#13の'Tell Me A Bedtime Story'。
テーマメロディーこそエレピが静かに奏でるものの、
この曲の大部分はシンセストリングスのユニゾン風ソロ。
シンセの「大げさ感」とソロ・メロディの意外性のおかげで全然飽きない。
というか、ずっと聴いていたい。


高校の頃にちょっと背伸びして、
『愛のコリーダ』を近所のレンタル店で借りたときはピンと来なかったけど、
いまならわかります。
こんな感じで、今度はブラコンサイドのQのベスト盤聴いてみたいなあ。

2010年12月30日木曜日

● クールなフリー・ジャズ。



大友良英ニュー・ジャズ・クインテット・ライヴ / 大友良英ニュー・ジャズ・クインテット, 2002


  

分類としては「音響系フリー・ジャズ」とでもいうのかな。
大友良英の面目躍如って感じの構成・演奏で、これはカッコいいです。
メロディーとかはどうでもよくって、
とにかくその場で響いてる「音」によって前へ進む、という音楽かな。
この場合の「響き」とは必ずしもハーモニーとかコード進行を意味しているわけじゃなくて、
「騒音」とか「静寂」とかの、広い意味での響きのこと。
その意味で、もはやジャズというか能みたいな芸能ともいえると思うけど、
まあ、フリー・ジャズって多かれ少なかれそういう要素はあると思うからそれはいいや。
とにかく言いたいことは、これはクールなフリー・ジャズだということ。

選曲もいい。
#1、ショーターのSwea Pea, そして#3、ドルフィーのHat and Beard!
Hat and Beard、カッコよすぎ!
ドルフィーがモンク、ミンガス直系の作曲家であることを証明する曲だよね、この曲は。
メロディーとも言えないようなメロディーだけど、
フリーなステージに混ぜるとすごくメロディアスに聞こえて、
しかも緊張感と狂気を失わない。
そういや、カムバックした大西順子も『楽興の時』でこの曲を
ドアタマで取り上げていたことを思い出す。
で、#4のEurekaはジム・オルーク。
やりすぎでしょ、これ。

あと、菊地成孔のテナーもいい。
わたしが菊地成孔を真面目に聴き始めたのはDCPRG以降だけど、
こうしてバンドメンバーの一員として聴いてみると、
1発で「ナルたんだ!」ってわかる。
個性があるってのはそれだけで才能です。
これも嬉しい発見。

    

2010年12月27日月曜日

● 「ソイルのトリオ」以上の何かに期待。



Just Another Mind / J.A.M., 2010


 

SOIL&“PIMP”SESSIONSはすごく好きなバンドで、このブログでも何度か取り上げてる。
だから期待してたんだけど……うーん、想定内の感想です。

普通、カルテットとかクインテットがトリオだけの演奏になると
自由度が増し、ハチャメチャになったり創造性あふれる演奏になったりする
(例:60年代マイルスクインテット、例外:コルトレーンカルテット)。
でも、J.A.M.の場合はソイルが小さくまとまってる感じかな。
緊張感が増し、さてここから下品なアルトが入ってもう一段階ブチ切れるぞ…
…というところで収束へ向かっていってしまう。

メンバーが興奮していって、どんどんテンポ加速したり、
加速してもグルーヴが詰まらないところとか、
キメの精度が高いのはさすが息があってるなあ、と思うんだけどね。

適当な意味じゃなくて、今後に期待します。

2010年12月26日日曜日

● グルーヴは最高!…なんだけど。



Pirates / indigo jam unit, 2008


  



1stからリアルタイムで聴き続けているバンド。
たしか、1stは京都に住んでた頃に京都のビレッジバンガードで買ったはず。
その硬派なバンドサウンドには裏切られたことはない。
高槻のジャズストリートにも1回来て、夜の野外ステージに出たのももちろん聴きに行った。

ただ、どうしても気になるのがピアノかなあ。
高槻のジャズストの時もMCの笹井克彦(Bass)が言ってたけど、
ピアノの樽栄嘉哉は20歳くらいから楽器を始めたんだって。
それにしては信じられないくらい指が回るし、カッコいいフレーズ弾くけど、
基本的な楽器力、音楽の筋肉みたいなものが薄いように聞こえる時がある。
たとえば、このアルバムに限らず、CDのピアノの音がやけにキンキンしてて耳障りに聞こえる。
これって録音の問題かと思ってたけど、
もしかしたらアコピじゃなくてキーボード使ってるのかな?
タッチもところどころ雑に聞こえるし、グルーヴ感もちょっとカタイ。
全般的に余裕さがないように聞こえるんだよなあ。

まあ、この必死さというか没入している感じがバンドの音に合ってるからいいんだけど、
あまり幅のある表現ができなそうなので、ファンとしてはちょっと心配。
ファンとは勝手なもので、好きなバンドにはカラーを求めていながら、
冒険というか、新しい音を期待するものだから。

と、まあ色々文句のようなこと書いたけど、
これも全部このバンドが好きだからこそのこと。
新作のRootsも絶対聴きますよ。

初回盤はDVD付き。

2010年9月15日水曜日

● 須永辰緒のスクラッチプレイ。



勇気のしるし~リゲインのテーマ(鞍馬山クラブ・ミックス) / 牛若丸三郎太, 1990













勇気のしるし~リゲインのテーマ(鞍馬山クラブ・ミックス) / 牛若丸三郎太, 1990     部屋の整理をしてたら、面白いCDを発見。一時期流行った、時任三郎のRegainのCM曲のクラブMix。普通ならゴミ箱に直行するところだけど、クレジットを見ると意外なメンツが…!

Arranged and All Mixed by KAN TAKAGI, K.U.D.O
Additional Scratched by DJ DOD HOLIDAY
Programming by K.U.D.O
Recording Engineer: NAOKI YAMADA


このDJ DOC HOLIDAYって、須永辰緒のことじゃないかな? HIPHOP DJ時代の名前だと思うけど。 このシングル、1990年リリースだし、時代も合ってる。

これ、稀少盤になるのかな?
とりあえず捨てずに保存しておきます。

2010年8月14日土曜日

● R. I. P., Nujabes。



Various Artists / MELLOW BEATS,FRIENDS&LOVERS, 2009














暑い日が続くので、なかなかwalkmanを聴く機会がない。
というのも、わたしのヘッドフォンはSONYのMDR-XB700で、
装着するととても暑苦しいからだ。




  見るからに暑苦しい!


     



しかし、そんな中でも会社帰りに聴きたくなるのは
やっぱりJAZZY HIPHOP。
特にMellow Beatsのシリーズは本当に落ち着くのでよく聴いてます。

ハッとさせられたのは、#9のsoraのrevans。
エンディングにMy Foolish Heart(Bill Evansの、超弩級に有名なヤツです)の
エンディングを重ねてるのもたまらない。
美しい響きです。
ちょっと調べてみたら、soraって京都のミュージシャンなのか。
やっぱり京都は素晴らしいなあ。

そして、#1のKiss of Lifeと#16のChild’s Attractionは両方ともNujabes。
このコンピは、Nujabesで始まってNujabesで終わるわけだ。
まさか橋本徹もこの半年後にNujabesが急死するなんて思ってなかっただろう。
この静かなアルバム、わたしにはNujabesへの追悼の音楽に聞こえるのです。

Rest in Peace。

2010年7月31日土曜日

● YOU THE ROCK★逮捕についてのメモ。



GRAND MASTER FRESH PART.2 / YOU THE ROCK★, feat. Fantastic Plastic Machine, 2004
























ちょっと古い話題だけど、YOU THE ROCK★が大麻所持で逮捕された。
責任を取り、音楽活動から引退するらしい。
これは仕方のないことだし、大麻の無害を訴えて
この処分・決断を批判するわけではないが、「またか」という気持ちでいっぱいだ。
岡村靖幸の逮捕のときの方が残念に思う気持ちは強かったけど、
疲労感は今回の方が強いかな。


YOU THE ROCK★を意識するようになったのは、NONA REEVESに参加しているの聴いてから。
「DJ!DJ! 〜とどかぬ想い」とか、
「Changin'」(アニメ『GetBackers-奪還屋-』のエンディング曲にもなった)で知って、
悪くないな、と意識し始めた。


  








「自他とも認めるパーティマン!」の、
「青春! イコールあの娘といた日々」な曲です。







  








#3「メモリーズ~ひと夏の記憶~」も名曲。
トロンボーンはもちろん村田陽一。
#9「イージーラヴ」には土岐麻子が参加!







調べたら、『タイガー&ドラゴン』なんかにも出てたのか。
あと、多分ハロルド作石の漫画、『BECK』の「タケちゃん」のモデルにもなってると思う
(YOU THE ROCkの本名も「竹前裕(たけまえ ゆう)」だし)。


しかし、わたしにとって決定的なのは、
Fantastic Plastic Machineとリリースした「Grand Master Fresh Pt.2」!
これに尽きますね。
これを京都メトロで実際にFPMがプレイしたときは、
文字通りフロアが狂喜してました(日本語おかしい)。


  









今のところ上記の商品は全部Amazonで新品で買えるみたいだけど、
これも時間の問題だろうな。
少なくとももう新作は出ないわけだし。


今回の処分に異論はないし、然るべき結末だとは思うけど、ただただ残念なのです。


    

2010年7月7日水曜日

● "BLUE"尽くしな一枚。



BLUE MONK / Eric Reed Trio, 2006







『BLUE MONK』というタイトルから、
てっきりモンクのトリビュート・アルバムかと思って聴いたら、
トリビュートされてたのは「BLUE」の方だった。
確かに、ジャケットから考えればそっちの方が普通かも。
Blue Monk, Am I Blue, Born To Be Blue, Blue and Greenなど、
スタンダード中心に手当たりしだい集められてる感じだけど、
よかったのはやはりエリントンの Blue Rose と、
Monkの Light Blue。

Blue Roseはエリントン・ナンバーから選んだ割にはしぶい選曲。
しかし、マニアを満足させるためではなく、
音(和声感覚)を重視した結果であることがわかる演奏。
そしてアルバムの最後の曲でもあるLight Blueもいい。
実質4小節しかないテーマを繰り返すだけの演奏だが、それがいい。
これはプレイヤーというよりも作曲者モンクがすばらしいわけだが、
最後にこの曲をもってくることで引き締まりましたね。

まあ、演奏自体は緊張感も高くなく聴き流せるものですが、
企画盤もこういう企画なら悪くないかな。

2010年7月5日月曜日

● なにをやってるのかわかりません…残念です。



カウンターカレント / 日野=菊池クインテット, 2007









かなり上の世代だけど、わたしは2人ともファンです。
フュージョンがはやったらフュージョン、
マイルスがカオスなエレクトリックバンドをつくったら自分もやってみたりと、
ヒノテルは結構影響されやすいところがあるけど、
でもそれぞれでクオリティの高い作品を作るのはさすが。
最近では、pseudo電化マイルス的な昔の音源がクラブのDJたちに好まれていたりもする。

そして菊地雅章。
"After Hours"なんかがすきだけど、なんといっても"ススト"あたりが真骨頂かな。
DCPRGからさかのぼって聴いた感じだけど、噂どおりの分析心を刺激する音楽です。

そんな2人の2007年のアルバムだけど…これ、わからない。
何をやろうとしてるのかがわからない。
やってて何が楽しいのかがわからない。
何がわからないのかがわからない(by福山竜馬)。

バカにしているのでも、賞賛しているわけでもなく(当然)、
ただただわかりません。
2人の音楽を聴いてもわからない、という事態が残念です。

まあ、音楽を「わかる/わからない」という言葉で表現するのが
アホらしい/無意味だということは重々わかってます。
でも、「わからない」という言葉を使わないとなると、
「つまらない」という言葉で表現することになるのですが、
なんかこの2人にそういう表現はしたくないんだよね。


このアルバム、いつか「わかる」日が来るのかな?

2010年7月4日日曜日

● カエラの才能~「かえるのうた」



Ringa Ding Dong / 木村カエラ,2010











木村カエラはいい。
どうも初期の頃はストレートなロックをやっている印象があって、
聴き始めるまで時間がかかったけど、
いざちゃんと聴いてみるとこれが面白い。
限りなくポップでキャッチーでありながら、隠れて前衛的なアプローチで攻めている。
カワイイだけじゃないんだな~、と感心して以来、
半年くらいの間隔で忘れた頃に聴いてます。

で、このシングル。
これもすごい。
ゾクッと鳥肌がたつ瞬間が何箇所かあった。
まず、リズムトラックが「今どき?」感120%の単調な打ち込みシャッフル。
コード進行も凡庸、誰でもすぐ宅録できそうな構成です。

構成というかスペックを考えると低水準だけど、
完成度というか商品の面から考えると高水準。
単調なリズムトラックは反復の快楽につながるし、
コーラスも自分でこなす宅録感は、
すごくプライベートな気持ちを歌っていることを表現するのにピッタリと、
低水準な要素が全部プラスに転じる。

極めつけは歌詞の「♪ドレミファミレド~」!
これ、「かえるのうた」だよね。
「カエラ」だから「かえるのうた」なのかな?
こういうところ、ぶっとんでて好きです。

マキシなのに#2~#9までライブ音源を入れてくれてるのも嬉しい。
これ、さすがに新曲1曲だけじゃ悪いと思ったのかもしれないけど、
瑛太との結婚のことも踏まえて、
ファンへの恩返しのメッセージの意味もあるんじゃないかな。

2010年4月14日水曜日

● 今度は何年先の音楽?



PLAYER / capsule, 2010










capsuleの新作はいつも緊張する。
すごく楽しみなのは事実なんだけど、
必ずと言っていいほど期待していたものと違う音楽だから。
しかも、聴いた直後は大抵軽く失望する。
でも、ここからが中田ヤスタカのすごいところで、
数カ月、または1年くらい経ってから好きになったりする。

前作の『more! more! more!』もそう。
perfumeが大ブレイクして、いよいよ中田ヤスタカの時代か!
なんて思ってたけど、リリース直後はよくわからなかったもんなあ。
それが半年経ったらヘビーローテーション。
この時代を先取りする能力は本当にすごいと思う。

で、このアルバムだけど、正直いまはまだよくわからないな。
#1の「Stay with you」や、#10の「Love or Lies」はちょっと取って付けた感があるけど、
意図的にグルーヴをずらしてる(ように聴こえる)#2の「PLAYER」とか、
これからいろいろ発見できるアルバムだと思う。

しかし、今度はいったい何年先の音楽なのか?
perfumeで稼いで、capsuleで思いっきりやりたいことをやってる感じがもろわかりです。

2010年3月2日火曜日

● ウェルカム・バック、大西順子。



楽興の時 / 大西順子, 2009






待ってました! というのが聴く前の感想。
実際聴いてみると、期待通りの大西順子の音楽ではないが、長く聴き続けることができそうな感想を抱いた。
感覚で表現すると、派手さ、キャッチー感、ドライブ感は薄れたが、ウネウネ感が増した。
一聴するとゴリゴリ感も薄れたが、タッチを変えて内面的にゴリゴリ行ってるような気がします
(何言ってるのか自分でもわかりません)。
「あれ? なんか違うなあ……いや、やっぱり大西順子か」という感じです。

要はまだよくわかってません、つかめてません。
でも、長く聴いてみたいと思ってるのは事実。次作に注目。

そうそう、大西順子といえば、わたしは勝手に「モンク・ミンガス・エリントン」の系譜に連なる音楽家だと考えてます。
選曲とか和音の感覚とか、すごく共感できる。その流れで考えると、#1の「Hat and Beard」はいきなり「キター!」って感じだったけど、エリントン臭は皆無。
やっとエリントン臭くなったのはボーナストラックの「So long Eric」(ミンガスだ)で、「Mood Indigo」と「Do Nothin' Till You Hear From Me」。ちょっと取って付けた感はあるけれど、エリントンへの目配せも忘れていないということか。
モンク、ミンガス、エリントンへの今後の解釈にも注目。

タイトルの「楽興の時(Musical Moments)」は、シューベルトとかラフマニノフから来てるのかな。
不勉強なので、このタイトルを初めて目にしたときはアドルノに由来するのかと驚いた。
すごい、大西順子は身を潜めている間アドルノなんて読んでたのか、と。
もちろん、アドルノの方がシューベルトやラフマニノフに言及してるわけなんだけど。

2010年2月18日木曜日

● 完成度高し! 「作り込んだ感」あふれる名盤。



ANIMATION / NONA REEVES, 1999











ノーナを聴き始めるきっかけとなったアルバム。これ、何度聴いてもいいアルバムだな~。
かなり「作り込んだ感」があって、そのせいでやや息苦しさを感じないでもないけど、その分完成度は高い。
特に、#1の「渚のチューブ・ライダー」とか、#16の「トーキング・アウェイ」は恐ろしくなるくらいの完成度。切なさ剥き出しの、ドカーンとしたノーナもいいけど、ノーナのこういう面も好きなんだよな~。

いまamazonみたら、このCDは廃盤扱いなのか…。「出品者」から買えるみたいだけど、こんな名盤が廃盤ってのはちょっと悲しいな。


仕事、今度はドイツ語関係も来たけど、納期を考えるとちょっと無理。残念だけど断りました。

2010年2月17日水曜日

● 10年は続けよう。



マシロケ / SOIL & "PIMP" SESSIONS, 2007










ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ!
かなり好きなバンドのひとつ。私自身、メンバーとほぼ同年代なので、発言や選曲、音楽への姿勢が共感できるんだよね(バックショット・ルフォンク(Buckshot LeFonque)のカバーとか、スパイク・リーの『モ・ベター・ブルース』をカバーする発想って、他の世代からはなかなか出ないんじゃないかな)。

このCDはマキシで、収録曲の「マシロケ」はアルバム『PIMPOINT』に収録。Hannnibal Marvin Petersonの「Mandelas Dream」は今のところアルバム未収録曲なのかな。3曲目はセッションの録音。

付属の歌詞カードというかメンバーのコメントが面白い。社長はあんな外見なのに一人称は「僕」だし、タブゾンビの熱い言葉もいい。

でも、一番グッときたのはベースの秋田・ゴールドマインの言葉。


ベースを弾き始めて10年。
楽器を始めた時、ちょうど成人式でした。
僕が行った式では、秋山仁という数学者が話をしてくれた。
彼は「何でも良いから一つの事を10年は続けなさい」と言った。
彼のことは、昔から好きだった。
僕はその時決めた。
10年は必死になって楽器を弾こう。


こういうの読むと、心から「自分は何やってんだ…」と思います。
ソイルはこれからもブリブリ行っちゃってください。
私も追いつけるよう頑張ります。

2010年2月16日火曜日

● まとまりつつあるエネルギー。



6 / SOIL&“PIMP”SESSIONS, 2009










WALKMANで聴く関係で、ミュージシャンごとにCDをデータ化している。
最近はSOIL&“PIMP”SESSIONS。
今のところ、これが最新作。
いつも通りのソイルの音楽だけど、ややエネルギーがまとまりつつあるかな。
リスニング・ミュージックとして聴ける曲が多い。
#6の「POP CORN」や#10の「MIRROR BOY」など、キャッチーな曲も多い。
嬉しいのは、#9の「MY FOOLISH HEART」で椎名林檎をゲストに迎えていることだ。
椎名林檎の『三文ゴシップ』にはソイルも参加してるけど、両者のつながりはもっと前までさかのぼることができる。確か、椎名純平のツアーにタブゾンビが参加したりしてるんじゃないかな。そのあたりから椎名林檎と面識ができたんじゃないかと思う。

ジャズファンをニヤリとさせるカバー曲、今回はオリバー・ネルソンの「STOLEN MOMENTS」。
やっぱり選曲センスあるな~。ただ、完成度はもうひとつか。でも、これはこの曲はUNITED FUTURE ORGANIZATION (U.F.O.)のカバーが決定版という印象が強いせいかもしれない。

そんなことを考えながら仕事をしてたら、また新しい仕事が! 昨日の菊地のアルバムと何か関係あるのか、フランスの仕事。軽いシンクロニシティといったところ。
ソイル聴きながら、勢いに乗ってやろう。

2010年2月15日月曜日

● 蒼く研ぎ澄まされた「試食」。



DEGUSTATION A JAZZ AUTHENTIQUE/BLEUE / 菊地成孔, 2005










何事もなかったように日常に戻る。

菊地成孔のこのアルバムは、「蒼く」なって本当によくなった。

「菊地さんが目指していたのは、何でもたくさん食べられるC級グルメではない筈です」という、耳の痛い金言を吐いたのは、このアルバムの創案から完成までを共にしてくれた高見ディレクターだ。そうなんだ。僕も全くそう思っていたところなんだ。僕らは、研ぎ澄ますこと、結果的には、蒼く蒼く研ぎ澄ますことへの異様な執着に向かった。プレイヤー達が心血を注いで出してくれたサウンドをファインデザインの残忍さでどんどん切り取ってゆき、曲間の秒数と曲順に関しては、気が遠くなるようなリハーサルが重ねられた。

これ、よくわかるな。
本当に前作よりよくなってる。まとまってるというか、アルバムの流れが聞こえてきます。意図してたわけじゃなかったけど、昨日聴いてた「Isfahan」を#27でクインテット・ライブ・ダブが演奏してるのも嬉しい。
「degustation」とは、「Taking a small amount into the mouth to test its quality」のこと(Webster's Online Dictionaryより)。
菊地のフランス趣味もプラスに作用してると思う。

今日はジャズ特有の「憂鬱な雰囲気」に浸りきっていた。

2010年2月14日日曜日

● いまだに解釈の余地あり。



FAR EAST SUITE / Duke Ellington Orchestra, 1966





昨日の結婚式は素晴らしかった。
二次会も終わり、余韻に浸りながら電車を降りたところで、携帯電話を電車に忘れてきたことに気づく。
慌てて駅員に問い合わせるものの、なくした場所が正確にわからないと、運行中に探すことはできないとのこと。仕方がないので、こちらの連絡先を伝えて、何時でも構わないので見つかったら連絡をくれるようにお願いする。
見つからなかった場合の諸手続きのことを考えて憂鬱になっていると、深夜に交番から電話。
電車の中で私の携帯電話を見つけてくれた人が交番に届けてくれたらしい。
私の携帯電話を交番に届けてくれた親切な方、本当にどうもありがとうございます。
無事、交番から受け取りました。

で、翌日の朝に交番に向かいながら聴いていたのが、エリントンのこのアルバム。
10年間ずっと聴き続けたアルバムだけど、どこかしら聴く度に新たな発見があります。
だからなかなか聞き流すことができなくて困ることもあるのだけど、今日は気分が紛れて好都合でした。
今回は、Mount Harissaのカッコよさに開眼。そうだそうだ、このアルバムにもちゃんとポール・ゴンザルベスのフィーチャー曲あったんだよね。
拍子に注意してみると、結構面白い曲が揃っていることにも気づく。
単に4泊目にアクセントがあるだけなんだけど、一聴ではよくわからない「Bluebird of Delhi (Mynah)」(これは曲名もいいなあ)、ポルカだけどコロコロ拍子が変わる「Depk」、アホな8ビートの「Blue Pepper(Far East Blues)」などなど。
ダテにグラミー賞とったわけじゃないよね。
エリントンが66歳の時に受賞したから、世間では「ご苦労様」的な扱いの受賞と思ってるかもしれないけど、いやいや、これはすごい作品だよ。グラミー賞も受賞して当然。
まあ、うがった見方をすれば、昔からのジャズファンは66年当時のフリージャズ、モードジャズ(いまはスピリチュアル・ジャズというのかな)全盛を面白く思ってなくて、その反動でエリントンに賞を贈った、とも考えられるけど、そういう文化史的な面はまた今度考えよう。

あと、「Isfahan」はやっぱり名曲。これをアンビエント風のダブで料理した菊地成孔は偉いな~。ストレイホーンの曲は、ああいうアレンジが一番ピッタリ来ると私も長いこと考えていました。

『極東組曲』聴いて、自己嫌悪からも回復できた。
落とし物は必ず交番に届けよう。

2010年2月13日土曜日

● 末永く幸せに。



PERFECT ANGEL / MINNIE RIPERTON, 1974







今日は10年を超える友人の結婚式だった。
奇しくも、バンクーバーオリンピックの開会式当日。
バンクーバーオリンピックを思い出すたびに、今日のことを思い出すだろう。

余興として、共通の友人が「Lovin' You」の弾き語りをした。
アンビエントなアレンジが素晴らしかった。

結婚した彼女には何度も精神的な危機を救ってもらった。
感謝の気持ちは、ちょっと言葉では表せないな。
パーティの司会を担当して、ふたりを祝福できたことを心からうれしく思う。

エンドロールが流れたとき、
自分の結婚式のときにも流さなかった涙をこらえるのに必死だったよ。

末永く幸せに。

2010年2月12日金曜日

● PMGらしくないが、安らげる音楽。



Quartet / Pat Metheny Group, 1996









超多忙な1週間が終わった。
新しい取引先から受けた仕事に、この1週間は文字通り寝る間を惜しんで取り組んだ。その甲斐あって、本日朝に無事納品。後は野となれ山となれ。

疲れているけど、まだ少し精神は興奮しているので、狙ったようなスローミュージックは聴きたくない。弛緩しすぎず、適度な緊張感を保ちながらゆっくり流れる音楽。
『Quartet』は、これにかすかな「狂気」が加わる。
最近、仕事帰りの疲れたときに聴くアルバムです。

『The Road To You』や『WE LIVE HERE』の印象が強かったので、発表当時は違和感があってあまり聴かなかったけど、今になってしっくりくるなあ。
Amazonのレヴューには、「存在意義不明」とか、「Geffen最後のアルバムだからやっつけ仕事だ」とか、「ストレートなジャズはパット・メセニー個人名義でやるはずなのに」とかあって、それはそれで納得できるけど、これはこれで楽しめるアルバムですよ~。

とりあえず、お疲れさまでした、自分。

2010年2月11日木曜日

● わざとらしい「聖書」。



愛のメモリー / 及川光博, 2005










昨日のmegに続き、靖幸ちゃんのカバー・マキシ。
そして、やはりオリジナルに比べると残念な出来だ…。
何より、セリフの箇所などのわざとらしさが鼻につく。
オリジナルは、「狂気すれすれのナルシシズム」と、「ファンクミュージックへの意志」のせめぎあいが聴きどころだと思うんだけど、及川カバーにはそんな緊張感はない。
昨日のmegにもあてはまることだけど、岡村靖幸をカバーするなら、
同じ方向ではなくて全く異なったアプローチをした方が面白いものができると思うけどな。

Amazonを見る限り、このマキシはそんなに高騰してないみたい。
2005年発表とまだ日が浅いこともあるのだろうけど、納得できるとこです。

2010年2月10日水曜日

● 健全な 「イケナイコトカイ」。



イケナイコトカイ / meg, 2002







パンチラジャケットでおなじみ、megの岡村靖幸カバー。
2002年発表ということは、『どんなものでも君にかないやしない』と同じ年の発表になるね。このカバーも収録する予定だったのかな。

せっかくの靖幸ちゃんのカバーだけど……ちょっとイメージ違うかな。
情感込めてるのはわかるけど、全然気持ち悪さが足りない。
若いというか、健全というか、端的に言って「薄い」です。
ポップアイコンとして、人工的なイメージの方が似あうと思うな。
中田ヤスタカのプロデュースはその点ピッタリだ(というか、そのイメージが強いのかな?)。
あれだけパンチラしてても全然エロさを感じないので、このマキシのジャケットもなんか違和感が…。

ちょっと残念な1枚。

補足:
Amazonのページみてびっくりしたけど、このマキシ、結構いい値段ついてる。
megの昔の音源だから、ということだからだろうけど……うーん、そういうのどうなんだろう。

2010年2月9日火曜日

● ワンホーンへの強い意志。



WALKOVER / Jukka Eskola, 2010








ユッカ・エスコラのソロ3作目。
エレピの音がうれしい、フュージョンサウンド全開です。
作を重ねるごとに進歩していく姿をみるのは素直にうれしい。
個人的に、イタリア対フィンランドみたいな感じで、High Five QuintetとFive Corners Quintetを比べて聴いてしまうんだけど、ファブリッツィオ・ボッソとは違った魅力を持ったトランペッターとして、ユッカ・エスコラに注目している。
ボッソほど華々しいテクニックはないし、あけっぴろげなユーモアも無いけど、要所要所でフレージングのセンスが光ります。フリューゲルホルンを吹いてるからって甘さに流れることもなく、ロイ・ハーグローブ並に吹きまくる姿勢がカッコいい。
特にこのアルバムはほぼワンホーンなところがすごい。トランペットでワンホーンアルバム1枚もたせるのって、テクニックや体力も必要だけど、アイデア的にも結構大変だと思うけど、十分成功してる。
それも、リズムなど、ガラッとアレンジを変えたりすることなく、CTIを彷彿とさせるフュージョンサウンドを維持させながらだ。

カッコいいな~。
『Five For Fun』よりも『Hot Corner』の方が面白かったし、須永辰緒がひいきにするのもわかります。

でも、個人的には、もっとクラブミュージックっぽいのもやってほしい、とも思います。

2010年2月8日月曜日

● 音響家としてのイノ・ヒデフミ。



INOCOLOGY / INO hidefumi, 2009








新作が楽しみなミュージシャンの一人。
『satisfaction』からずっと、その新作にはおどろかされている。
カバー集の『satisfaction』はとにかくそのセンスのよさが光っていたけど、
次のマキシの『Force of eXOTiC』の音作りはうって変わってキャッチーさは少なくなった。
もっともバランスが取れていたのが『Living Message』で、これはこのWALKMANでも長いこと聴いたな~。

で、『INOCOLOGY』だけど、これはこれまでの中で一番前衛的かな。
菊地成孔・大谷能生的な分類に従えば、「音韻」から「音響」的な音楽への変化、と言えると思う。
解説にも「エイフェックス・ツインを聴いたときのような笑い」とあったけど、メロディラインよりも音の面白さを重視した感じ。
仕事帰りとか、メロディを聴きたくないときに聴くとピッタリでした。

それにしても、引き出しというか、音楽の幅が広そうな人だな、と思う。

2010年2月7日日曜日

● 「繰り返すんだ!」って叫ぶモーターマン。



QUICKLY / NONA REEVES, 1997








ノーナの初期の名盤。
ノーナのアルバムには、「皆でアッパーに楽しめる音楽」と「心にシュッと入り込んでくる音楽」の2種類がある、とライブの時にゴータが言ってたけど、このアルバムは後者。
心に優しく入り込んでくる切ない曲中心です。
特に,
#2、の「PUT A LITTLE LOVE IN YOUR HEART (Pt.1&2)」がいい。
まず、歌詞がすごい。

赤い小遊星にも / 砂ぼこり
マイアミのあとを / 追いこしては止まる
痛いほど祈る / 幌馬車二台
君はまたがるの? / ママには内緒で!

レッミノウ!
ぼくのスピードメーターガン
あの娘より速く / 走れ、スナッピー!
レッミノウ!
僕のスピードメーターガン
遡る / 小さな恋をしたのさ
Put a little love in your heart


意味が全然わからない。
でも、歌詞として曲で聴くと何の引っかかるところがなく聴けるのがすごい。
さらに、この曲の後半(Pt.2)、ベースが強調されるパートもいい。
歌もなくまったりとした雰囲気がずっと続く。
この部分だけいつまでも聴いていたいくらい。
気持ちのいいグルーヴとはこのことだ。

トドメを刺すのが#5のMOTORMAN。
ディストーション全開のギターリフも面白いけど、
この曲も歌詞がすごい。

「繰り返すんだ」って / 叫ぶモーターマン
出窓から何度も見ていた
新しい方法を! / とどまるのなんか
恥ずかしすぎるからもういいよ
昨夜はノーノーノーちっぽけなタンバリン叩いてた
ライド・オン・ベイビー
キレてるんだ もう!

Motorman / Sheis my girl!
Motorman
あの娘を返してモーターマン


やっぱり歌詞だけ読むと意味わかんないけど、
曲で聴くといい。

こういう詩をかけるってのは才能だと思います。

そうそう、このアルバムももう廃盤みたいで、Amazonでは買えないみたい。
いいアルバムなのにな。

2010年2月6日土曜日

● ハード・バッパーのマイルス。



BAGS GROOVE / Miles Davis, 1954








マイルスのCDをドカッとデータ化したので、順にWALKMANで聴いている。
まずは、長いこと聴いて無かったこのアルバムから。
思いのほかマイルスのソロが整っていることにおどろく。
タンギングがクソうまいことも確認するが、ロリンズ以上にソロがメロディアスなのが意外。

BE-BOP → COOLと来て、
この時期のマイルスの頭の中に合ったのはBOPの再構築だったのだろう。
「洗練されたバップ」への強い意志を感じた。

このアルバムについて『マイルスを聴け! ver.7』を開いたところ、見開き2頁とは思えないほど濃密な情報が書かれていた。
中山康樹の本は本当に面白いなあ。



2010年2月5日金曜日

● つなぎ用のアルバム? 名曲「take me away」の発見。



imagination / Fantastic Plastic Machine, 2006














う~ん、なんかいまひとつだなあ…。
FPM特有の「突き抜ける解放感」が薄いような気がする。
もっとも、それはこのアルバムを聴きすぎたせいかもしれない。
SU (RIP SLYME)をフィーチャーした「dance dance dance dance」は普通に街でよく耳にしたし、「paparuwa」に至っては工藤静香の「軽くヤバイ」でお茶の間でまで日常的に耳にしたもんね。

前作の『too』以上にハウスなアルバム、全曲通じて強烈なダンス衝動に貫かれている……はずなんだけど、どうも単調さを強く感じてしまう。
発表された当時は、田中知之氏の才能の枯渇をちょっと心配したくらいです。
「過剰」さをテーマにした音作りも煮詰まってきたのかな? と。

でも、今から考えるとこの単調さも計算上でのものだったのかもしれない。
この単調さは、いわゆる「つなぎ用」として狙ったのかと。
というのも、ちょうどこの頃のFPMはDJとしてすごいところにいたから。
わたしは2006年のKMF(KYOTO MUSIC FESTIVAL)でFPM体験したんだけど、いやはや、これはすごかったね。
「すごい」という形容しかしてなくて恥ずかしいけど、素直な感想がこれだからしょうがない。特にこのとき初めてYou the ROCKをフィーチャした「Gland Master Flash」を聴いたんだけど、あのときは本当に失神しそうになったなあ。


…えーと、そんな『imagination』だけど、ひとつうれしい発見があった。
「take me away」がひそかにいい曲ってことです。
アルバムの最後の位置にある曲だから聴く機会少なかったけど、ちゃんと聴いてみるとすごくいい曲。この曲が最後にあって、やっとアルバムを終えることができる。
スティールパンとか、あざといスカのサビ(?)もいいけど、ラップのライムがいいです。
「ここじゃないどこかへ連れていってくれ」な内容で、
アルバムタイトルの「imagination」で
自由なところに「連れていってくれ」ということだと思う。
ラップという形式ともピッタリ合ってる。

気に入ったのでライムを挙げておこう。


(dizzy)
tickets please welcome aboard, bon voyage
time lo leave the shore
we're gonna take a detour down to the sea floor
i'm the captain of the "MEI AMORE"
so enjoy the tour, i hope that your
ready to find someone you adore
let's explore excavate find the treasure don't separate
medicate, meditate what ever you do just get it straight
cuz love is all around like surround sound
n if you listen close enojgh you can hear hearts pound
and you just might drown if you get off the boat
so take my advice cuz hearts get broke
if you can't float va belter grab a rope
for that kind of pain there's no antidote

(chorus)
been slavin', workin1. savin'
for too king so take me away
i'm grippin1. fallin1, slippin'
can't hold on so take me away
i'm sticky, filthy, icky
need calgon to take me away
i'm bailin', leavin', sailin'
wrote this song to take me away

take me away (let's go!)x4
go go go go go go go....et's go!


(andy)
pushed to edge and i've had enough
.i remember me and you would laugh it up
but the next thing i knew disastor struck
and i'm all wet 'cause you blew the aqueduct
to smitherines and now i got a face like
mr.bean's i'm running in a race to
hell and back and i'm in a sandtrap
and i'm being ramsacked so take me away
i just need a little oeace and love
and a kiss on the cheek or at least a hug
and backup dippin' in the blue lagoon
marooned layed-back from noon to noon
where the sun shines on like an equinox
i'll be kickin up my feet and sleep a lot
you can have my house my car my home
man, i wanna be alone take me away


(訳)

(ディジー)
チケットをお見せください、ご乗船ありがとうございます
どなた様もよい旅を、出航のお時間です
海までの巡回ツアーが始まりました
わたくし"MEI MORE"号のキャプテンでございます
この旅を心ゆくまでお楽しみください
愛する人との出会いがあるかもしれない
探検の始まり、宝を発掘しよう、離れるんじゃない
治療、瞑想、何やったっていいから
とにかくはっきりさせようぜ
愛はまるでサラウンドで聞こえてくるようにいたる所にあるんだぜ
耳を澄ませば心臓の鼓動が聞こえてくる
船から落ちたら溺れちまう
だから俺の忠告を聞いてくれ、
でないと心がズタズタに引き裂かれる
泳げないならロープにつかまれ
あんな痛みにつける薬はないからな

(コーラス)
まるで奴隷のように働いて節約しても
終わりは見えない、だから俺をどこかへ連れ出してくれ
しっかりつかまっていたって落ちてゆく、踏み外してゆく
もう待っていられない、だから俺をどこかへ連れ出してくれ
俺はクサってて、汚らしくて、もうヘドが出そうなんた
洗剤で俺をきれいに洗い流してくれ
俺は出て行く、ここを去るんだ、海へ出よう
この歌を書くのはどこかへ抜け出すため

抜け出そう (さあ行こう!)×4
行け、行け、行け、行け、行け、、、さあ、行こう!}
(アンディ)
もうぎりぎりさ、もううんざりなんだ
2人で笑い飛ばせると思ってたけど
いつも決まって災難が降りかかるのさ
水道管が破裂して俺はびしよ濡れ
まるでミスタービーンみたいだ
地獄行きのレースから帰ってきたと思ったら
バンカーに埋もれてる
どうしたって連れ戻されるんだ
だから俺を連れ出してくれ
俺が欲しいのは一時の平和と愛だけなのさ
ほっぺにキスでも抱きしめてくれるだけでも
海に浸かって背中をさすってくれるだけでもいい
そのまま孤島に置き去りにされて
一晩中ゆっくり辿ごすんだ
太陽と月が等しく輝く場所で
足を投げ出して、とにかくずっと眠るのさ
俺の家も車も家族もお前にやるよ
一人になりたいんた、俺を連れ出してくれ

2010年2月4日木曜日

● フォーエバー・岩澤瞳



Computer House of Mode / SPANK HAPPY, 2002











菊地成孔の多彩な作品群の中でも、ひときわ浮いてみえるプロジェクト。
活動は第一期~第三期に分かれてるけど、その経緯はここで書く必要も無いと思うので割愛(くわしくは こちら)。
この『Computer House of Mode』は第二期のファースト・アルバムになるのかな。第二期はとにかく岩澤瞳がカワイイな~。ビジュアルもそうだけど、声もカワイイ。
実はわたしはスパンクスのライブに行ったことがあるんだけど、本当に最後の最後のときで、ボーカルは野宮真貴。結局、生の岩澤瞳は見れずじまいだった…。

菊地作品群の中でも、デートコースとかダブクインテットが好きだったので、スパンクスはいまひとつピンとこなかったのだけど、あらためて聴いてみると結構いい曲あるなあ。#5の「SWEETS」とか、#7の「楽しい知識 / Le gai savoir」とか(ちなみに、「Le gai savoir」ってのはニーチェの『悦ばしき知識』(Die Froehliche Wisswenschaft)のこと。ゴダールの同名タイトルの映画ももちろんこれに由来する)。デートコースでおなじみ、#10の「ホー・チ・ミン市のミラーボール」もうれしいね。このバージョンはデートコースでも『ミュージカル・フロム・カオス』で聴ける。

ところで、この第二期スパンク・ハッピー(カラオケ・エレクトロ・ポップ・デュオ)には、元ネタがあるらしい。それがフレンチ・テクノ・デュオのMikado。



こんなの、全然知らなかったなあ。
しかもこのCD、もはやamazonでは購入できないみたい。

2010年2月3日水曜日

● 「無難なロックじゃ楽しくない。」



どんなものでも君にかないやしない / 岡村靖幸トリビュート, 2002








靖幸ちゃんのトリビュート・アルバム。

靖幸ちゃんは,10代の私の「聖書」だった(「聖書は」もちろん「バイブル」と読んでね)。
隠しきれないファンクネスとキャッチーなメロディライン、自分で制御しきれないほど肥大化した自意識とナイーヴな女性観。ナルシシズムと虚勢が一体となったオカムラワールドは一度はまったら抜け出せない。いまでも大好きです。

このアルバムは、おそらく私と同じように、靖幸ちゃんの音楽とともに多感な時期を生き抜いたミュージシャンによる岡村靖幸へのお礼の手紙だ。音楽好きの心をくすぐるいい顔ぶれです。

amazonのカスタマーレビューでも大絶賛だけど、このアルバムの白眉は朝日美穂の「だいすき」だ!
うん、これはホントにいいね。
原曲の'80s感満載のまったりとしたポップスを均等なハウスグルーヴに解釈したところが面白い。しかも、それでいて原曲のもつ「恋すること」のハッピー感やドキドキ感をまったく失ってないところが見事だ。高橋健太郎のプロデュースはどれくらいの比重があるのかな。
ほかの朝日美穂の音楽も聴いてみたくなったら、とりあえずこんなのを発見。


ホリアテロリズム / 朝日美穂 3rd Album, 2004.12.18
♪岡村靖幸作曲「秘密のフランボワーズ」収録









このジャケット、みたことあるぞ。
次K2レコード行ったとき借りてこよう。


で、ほかの曲だけど、ニーネの「ラブ タンバリン」と直枝政広&ブラウンノーズの「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」はちょっと残念だったかな。初期衝動に忠実というか、少年の気持ちを素直に表現したら、そりゃ普通のロックがいいだろうけど、それじゃ全然面白くないんだよなあ。2曲とも好きな曲だっただけに残念。
まさに、「無難なロックじゃ楽しくない」のである。
ああそうか。くるりはこの言葉が言いたかったから「どぉなっちゃってんだよ」をカバーしたのか、なるほどね。


このアルバム、近いうちにまた聴くでしょう。
今回は、このアルバムに収録されてない靖幸ちゃんのカバーと交換。

イケナイコトカイ,傘としずく / meg, 2002




megによる「イケナイコトカイ」のカバー。やっぱりジャケットはどことなくエロイ。

愛のメモリー / 及川光博, 2005









ミッチーによる「聖書」のカバー。みんな靖幸ちゃんのこと好きなんだなあ。

2010年2月2日火曜日

● 元晴のアルトソロに昇天。



Crush! / SOIL & "PIMP" SESSIONS, 2006







「Crush!」は『PIMP OF THE YEAR』に、「Avalanche」は『Pimp Master』に収録されてるけど、「Frantic」と「Little Man」はアルバム未収録みたい。その意味でなかなか「貴重な」マキシだけど、なんといっても聴きどころは#3の「Avalanche」のライブ音源!
これの元晴のアルトソロが最高だ!
London、Cargoでのライブ収録らしいけど、イギリス人も熱狂してます。

このソロ、メロディと呼べるようなフレーズもなく、最低音を連発したほとんどパーカッション的な音の連発なんだけど、これがしっかり音楽になってるんだよなあ。こういうの聴くときっとみんなマネしたくなるなるだろうけど、下手にマネしてもカッコ悪いだけなんだよね。
圧巻の一言。

この感じ、前にもあったなーと思ってちょっと考えたら、メシオのピンクのライブ盤だった。
これの#1、「Shake Everything You've Got」でケンウッド・デナードの煽りをバックにメシオが延々と繰り広げる単音ソロですよ。
記憶の奥底にあったこのアルバム、元晴のソロにより突然掘り起こされた。
ソイルのマキシ2枚はこのメシオのライブ盤にチェンジ。




2010年2月1日月曜日

● ゼロ年代Nu Jazzの源流。



NEW CONCEPTION OF JAZZ / Bugge Wesseltoft, 1996







ゼロ年代のジャズ~クラブジャズにはいくつかの特徴がある。

「コード進行は単純、ただしそれに乗っかるコードは複雑に」
「リズムのアイデアはクラブミュージックから貪欲に吸収」
「大胆なエレクトロニカの導入」


簡単に挙げるとこんな感じかな。
で、おそろしいことにこのアルバムにはこれらの要素がすべて出揃っている。というか、このアルバムがその後のジャズ~クラブミュージックシーンに大きな影響を与えたのは間違いない。
「ブッゲ・ヴェッセルトフト」なんて聞き慣れない名前の響きだったけど、2003年のライブ盤までの一連のアルバムには夢中になりました。

ビッグバンド的なリフの繰り返しが4つ打ちのグルーヴをダイナミックに増幅させていく#2の「NEW CONCEPTION OF JAZZ」や、なかばSEのような音の断片が積み重なってグルーヴを形成していく#7の「Poem」など、とても96年の録音とは思えない完成度。
まさにNew conception of Jazzです。

次は『sharing』を聴こう!


2010年1月31日日曜日

● 「BAD GIRL」は「ROCK WITH YOU」にそっくりだ!

BAD GIRL / NONA REEVES, 1999







「BAD GIRL」、いい曲だな~。歌詞書いときます。


真夜中の君は 気まぐれなバッド・ガール
引き寄せたパラシュート
あぁ、ダンス誘うパーティ ドゥダダ…

優しさも今は 気まぐれなはずさ
意地悪な、投げキッス!
あぁ、ダンス誘うパーティ ドゥダダ…

フィール・ミー! パーカッシヴなこの哀しみ
いつものままでいれるなら ストロベリー
君へのシンバル 鳴らすよ!
「マイ・ベイビーズ・ゴーン!」
踊りだすの?
今夜も、夢で「バッド・ガール」と 揺られたい


「パーカッシヴなこの哀しみ」とか、センスを感じます。
しかしこの曲、マイケル・ジャクソンの「Rock With You」に似てるなあ。ゴータ自身が「『Rock With You』は日本一聴いた自信がある」と『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』で書いてたから、これはもはや「パクリ」というよりも「オマージュ」です。
そうそう、どうでもいいけど、西寺郷太のクレジットが「ボーカル」じゃなくて「Microphones」になってる。…まあ、たしかに。間違ってません。

● アイズレーの名曲、「IF YOU WERE THERE」のカバーがgood。



LOVE TOGETHER / NONA REEVES, 2000









「LOVE TOGETHER」はもちろん名曲なんだけど、カップリングの「IF YOU WERE THERE」がいいね。原曲はもちろんアイズレー・ブラザーズで、Free Soulでもおなじみの名曲。原曲は強力なエネルギーで突っ走る、蒸気機関車のようなイメージだけど、ノーナは比較的薄味でカバー。「躍らせる」というよりも「聴かせる」感じ。このカバーはこのマキシでしか聴けないはず。

それにしてもボーカルのゴータ(西寺郷太)はホント歌うまいなあ。「マイケル・ファミリー研究家」としての彼しか知らない人も多いと思うけど、そういう人はゴータが真剣に歌ってるところみたらびっくりするんじゃないかな、その表現力に。

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2010年1月30日土曜日

● やっぱり 『FRUITS CLiPPER』が最高。



FLASH BEST / capsule, 2009





1stアルバムの『CUTIE CINEMA REPLAY』から聴き始めてはや6年。このベスト盤に収録されている音源はほとんど聴いているのですが、ファンの習性として聴きました。ベスト盤の常として、現在の傾向に近い音源が収められています。初期のラウンジーでガーリーな音も好きだけど、聴きたいと思うのは『FRUITS CLiPPER』以降のアグレッシヴなエレクトロハウスの方が多いです。

今回このベスト盤を聴いて再確認したのは、私はcapsuleのアルバムの中で『FRUITS CLiPPER』が一番好きだということ。特に、#1から#3までの流れが最高なんだよなあ……と思ったら、#4からの曲がまったく思い出せない。これはあんまりだ!と思って、このベスト盤の次は『FRUITS CLiPPER』を聴くことにしました。


● 画像はご自由にどうぞ。

iPodとかWALKMANの魅力のひとつに、「Now Playingのジャケット表示」というのがあります。もちろん一番大事なのは音楽ですが、ジャケットは聴いている音楽のイメージをふくらませる大きな要素です。もはやそれ自身ひとつの芸術分野ですしね。

なので、私も取り込むジャケットにはこだわります。といってもネット上で探す程度ですが、amazonにアップされていなくても、探せば結構見つかるものです。このブログにアップしてるのは、私が実際にNW-X1050で使用してるものです。使えそうなものがあったら皆さんもご自由にどうぞ。

2010年1月29日金曜日

● 優等生的なクラブジャズ。



OOParts / JABBERLOOP, 2009









京都出身のクラブジャズバンド。
京都に思い入れがある者として、これまでずっと聴いてみたかったけどバンド。結局、1stを聴く機会が無かったので、彼らの音楽を初めて聴いたのがこのアルバム。感想は……うーん、よくまとまってて悪くないけど、いまひとつインパクトがなくて優等生的な印象。特に狂気の度合いが少ないかな。管のフレーズのグルーヴ感が出るともっとよくなると思う。スクラッチを面白く使ってたので、あれをもっともっと聴きたかった。
一貫して「過剰」という狂気で音楽を作り続けるFPMのimaginationsと交換。