2010年12月30日木曜日

● クールなフリー・ジャズ。



大友良英ニュー・ジャズ・クインテット・ライヴ / 大友良英ニュー・ジャズ・クインテット, 2002


  

分類としては「音響系フリー・ジャズ」とでもいうのかな。
大友良英の面目躍如って感じの構成・演奏で、これはカッコいいです。
メロディーとかはどうでもよくって、
とにかくその場で響いてる「音」によって前へ進む、という音楽かな。
この場合の「響き」とは必ずしもハーモニーとかコード進行を意味しているわけじゃなくて、
「騒音」とか「静寂」とかの、広い意味での響きのこと。
その意味で、もはやジャズというか能みたいな芸能ともいえると思うけど、
まあ、フリー・ジャズって多かれ少なかれそういう要素はあると思うからそれはいいや。
とにかく言いたいことは、これはクールなフリー・ジャズだということ。

選曲もいい。
#1、ショーターのSwea Pea, そして#3、ドルフィーのHat and Beard!
Hat and Beard、カッコよすぎ!
ドルフィーがモンク、ミンガス直系の作曲家であることを証明する曲だよね、この曲は。
メロディーとも言えないようなメロディーだけど、
フリーなステージに混ぜるとすごくメロディアスに聞こえて、
しかも緊張感と狂気を失わない。
そういや、カムバックした大西順子も『楽興の時』でこの曲を
ドアタマで取り上げていたことを思い出す。
で、#4のEurekaはジム・オルーク。
やりすぎでしょ、これ。

あと、菊地成孔のテナーもいい。
わたしが菊地成孔を真面目に聴き始めたのはDCPRG以降だけど、
こうしてバンドメンバーの一員として聴いてみると、
1発で「ナルたんだ!」ってわかる。
個性があるってのはそれだけで才能です。
これも嬉しい発見。

    

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