2010年2月18日木曜日

● 完成度高し! 「作り込んだ感」あふれる名盤。



ANIMATION / NONA REEVES, 1999











ノーナを聴き始めるきっかけとなったアルバム。これ、何度聴いてもいいアルバムだな~。
かなり「作り込んだ感」があって、そのせいでやや息苦しさを感じないでもないけど、その分完成度は高い。
特に、#1の「渚のチューブ・ライダー」とか、#16の「トーキング・アウェイ」は恐ろしくなるくらいの完成度。切なさ剥き出しの、ドカーンとしたノーナもいいけど、ノーナのこういう面も好きなんだよな~。

いまamazonみたら、このCDは廃盤扱いなのか…。「出品者」から買えるみたいだけど、こんな名盤が廃盤ってのはちょっと悲しいな。


仕事、今度はドイツ語関係も来たけど、納期を考えるとちょっと無理。残念だけど断りました。

2010年2月17日水曜日

● 10年は続けよう。



マシロケ / SOIL & "PIMP" SESSIONS, 2007










ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ!
かなり好きなバンドのひとつ。私自身、メンバーとほぼ同年代なので、発言や選曲、音楽への姿勢が共感できるんだよね(バックショット・ルフォンク(Buckshot LeFonque)のカバーとか、スパイク・リーの『モ・ベター・ブルース』をカバーする発想って、他の世代からはなかなか出ないんじゃないかな)。

このCDはマキシで、収録曲の「マシロケ」はアルバム『PIMPOINT』に収録。Hannnibal Marvin Petersonの「Mandelas Dream」は今のところアルバム未収録曲なのかな。3曲目はセッションの録音。

付属の歌詞カードというかメンバーのコメントが面白い。社長はあんな外見なのに一人称は「僕」だし、タブゾンビの熱い言葉もいい。

でも、一番グッときたのはベースの秋田・ゴールドマインの言葉。


ベースを弾き始めて10年。
楽器を始めた時、ちょうど成人式でした。
僕が行った式では、秋山仁という数学者が話をしてくれた。
彼は「何でも良いから一つの事を10年は続けなさい」と言った。
彼のことは、昔から好きだった。
僕はその時決めた。
10年は必死になって楽器を弾こう。


こういうの読むと、心から「自分は何やってんだ…」と思います。
ソイルはこれからもブリブリ行っちゃってください。
私も追いつけるよう頑張ります。

2010年2月16日火曜日

● まとまりつつあるエネルギー。



6 / SOIL&“PIMP”SESSIONS, 2009










WALKMANで聴く関係で、ミュージシャンごとにCDをデータ化している。
最近はSOIL&“PIMP”SESSIONS。
今のところ、これが最新作。
いつも通りのソイルの音楽だけど、ややエネルギーがまとまりつつあるかな。
リスニング・ミュージックとして聴ける曲が多い。
#6の「POP CORN」や#10の「MIRROR BOY」など、キャッチーな曲も多い。
嬉しいのは、#9の「MY FOOLISH HEART」で椎名林檎をゲストに迎えていることだ。
椎名林檎の『三文ゴシップ』にはソイルも参加してるけど、両者のつながりはもっと前までさかのぼることができる。確か、椎名純平のツアーにタブゾンビが参加したりしてるんじゃないかな。そのあたりから椎名林檎と面識ができたんじゃないかと思う。

ジャズファンをニヤリとさせるカバー曲、今回はオリバー・ネルソンの「STOLEN MOMENTS」。
やっぱり選曲センスあるな~。ただ、完成度はもうひとつか。でも、これはこの曲はUNITED FUTURE ORGANIZATION (U.F.O.)のカバーが決定版という印象が強いせいかもしれない。

そんなことを考えながら仕事をしてたら、また新しい仕事が! 昨日の菊地のアルバムと何か関係あるのか、フランスの仕事。軽いシンクロニシティといったところ。
ソイル聴きながら、勢いに乗ってやろう。

2010年2月15日月曜日

● 蒼く研ぎ澄まされた「試食」。



DEGUSTATION A JAZZ AUTHENTIQUE/BLEUE / 菊地成孔, 2005










何事もなかったように日常に戻る。

菊地成孔のこのアルバムは、「蒼く」なって本当によくなった。

「菊地さんが目指していたのは、何でもたくさん食べられるC級グルメではない筈です」という、耳の痛い金言を吐いたのは、このアルバムの創案から完成までを共にしてくれた高見ディレクターだ。そうなんだ。僕も全くそう思っていたところなんだ。僕らは、研ぎ澄ますこと、結果的には、蒼く蒼く研ぎ澄ますことへの異様な執着に向かった。プレイヤー達が心血を注いで出してくれたサウンドをファインデザインの残忍さでどんどん切り取ってゆき、曲間の秒数と曲順に関しては、気が遠くなるようなリハーサルが重ねられた。

これ、よくわかるな。
本当に前作よりよくなってる。まとまってるというか、アルバムの流れが聞こえてきます。意図してたわけじゃなかったけど、昨日聴いてた「Isfahan」を#27でクインテット・ライブ・ダブが演奏してるのも嬉しい。
「degustation」とは、「Taking a small amount into the mouth to test its quality」のこと(Webster's Online Dictionaryより)。
菊地のフランス趣味もプラスに作用してると思う。

今日はジャズ特有の「憂鬱な雰囲気」に浸りきっていた。

2010年2月14日日曜日

● いまだに解釈の余地あり。



FAR EAST SUITE / Duke Ellington Orchestra, 1966





昨日の結婚式は素晴らしかった。
二次会も終わり、余韻に浸りながら電車を降りたところで、携帯電話を電車に忘れてきたことに気づく。
慌てて駅員に問い合わせるものの、なくした場所が正確にわからないと、運行中に探すことはできないとのこと。仕方がないので、こちらの連絡先を伝えて、何時でも構わないので見つかったら連絡をくれるようにお願いする。
見つからなかった場合の諸手続きのことを考えて憂鬱になっていると、深夜に交番から電話。
電車の中で私の携帯電話を見つけてくれた人が交番に届けてくれたらしい。
私の携帯電話を交番に届けてくれた親切な方、本当にどうもありがとうございます。
無事、交番から受け取りました。

で、翌日の朝に交番に向かいながら聴いていたのが、エリントンのこのアルバム。
10年間ずっと聴き続けたアルバムだけど、どこかしら聴く度に新たな発見があります。
だからなかなか聞き流すことができなくて困ることもあるのだけど、今日は気分が紛れて好都合でした。
今回は、Mount Harissaのカッコよさに開眼。そうだそうだ、このアルバムにもちゃんとポール・ゴンザルベスのフィーチャー曲あったんだよね。
拍子に注意してみると、結構面白い曲が揃っていることにも気づく。
単に4泊目にアクセントがあるだけなんだけど、一聴ではよくわからない「Bluebird of Delhi (Mynah)」(これは曲名もいいなあ)、ポルカだけどコロコロ拍子が変わる「Depk」、アホな8ビートの「Blue Pepper(Far East Blues)」などなど。
ダテにグラミー賞とったわけじゃないよね。
エリントンが66歳の時に受賞したから、世間では「ご苦労様」的な扱いの受賞と思ってるかもしれないけど、いやいや、これはすごい作品だよ。グラミー賞も受賞して当然。
まあ、うがった見方をすれば、昔からのジャズファンは66年当時のフリージャズ、モードジャズ(いまはスピリチュアル・ジャズというのかな)全盛を面白く思ってなくて、その反動でエリントンに賞を贈った、とも考えられるけど、そういう文化史的な面はまた今度考えよう。

あと、「Isfahan」はやっぱり名曲。これをアンビエント風のダブで料理した菊地成孔は偉いな~。ストレイホーンの曲は、ああいうアレンジが一番ピッタリ来ると私も長いこと考えていました。

『極東組曲』聴いて、自己嫌悪からも回復できた。
落とし物は必ず交番に届けよう。