2010年2月15日月曜日

● 蒼く研ぎ澄まされた「試食」。



DEGUSTATION A JAZZ AUTHENTIQUE/BLEUE / 菊地成孔, 2005










何事もなかったように日常に戻る。

菊地成孔のこのアルバムは、「蒼く」なって本当によくなった。

「菊地さんが目指していたのは、何でもたくさん食べられるC級グルメではない筈です」という、耳の痛い金言を吐いたのは、このアルバムの創案から完成までを共にしてくれた高見ディレクターだ。そうなんだ。僕も全くそう思っていたところなんだ。僕らは、研ぎ澄ますこと、結果的には、蒼く蒼く研ぎ澄ますことへの異様な執着に向かった。プレイヤー達が心血を注いで出してくれたサウンドをファインデザインの残忍さでどんどん切り取ってゆき、曲間の秒数と曲順に関しては、気が遠くなるようなリハーサルが重ねられた。

これ、よくわかるな。
本当に前作よりよくなってる。まとまってるというか、アルバムの流れが聞こえてきます。意図してたわけじゃなかったけど、昨日聴いてた「Isfahan」を#27でクインテット・ライブ・ダブが演奏してるのも嬉しい。
「degustation」とは、「Taking a small amount into the mouth to test its quality」のこと(Webster's Online Dictionaryより)。
菊地のフランス趣味もプラスに作用してると思う。

今日はジャズ特有の「憂鬱な雰囲気」に浸りきっていた。

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