2010年4月14日水曜日

● 今度は何年先の音楽?



PLAYER / capsule, 2010










capsuleの新作はいつも緊張する。
すごく楽しみなのは事実なんだけど、
必ずと言っていいほど期待していたものと違う音楽だから。
しかも、聴いた直後は大抵軽く失望する。
でも、ここからが中田ヤスタカのすごいところで、
数カ月、または1年くらい経ってから好きになったりする。

前作の『more! more! more!』もそう。
perfumeが大ブレイクして、いよいよ中田ヤスタカの時代か!
なんて思ってたけど、リリース直後はよくわからなかったもんなあ。
それが半年経ったらヘビーローテーション。
この時代を先取りする能力は本当にすごいと思う。

で、このアルバムだけど、正直いまはまだよくわからないな。
#1の「Stay with you」や、#10の「Love or Lies」はちょっと取って付けた感があるけど、
意図的にグルーヴをずらしてる(ように聴こえる)#2の「PLAYER」とか、
これからいろいろ発見できるアルバムだと思う。

しかし、今度はいったい何年先の音楽なのか?
perfumeで稼いで、capsuleで思いっきりやりたいことをやってる感じがもろわかりです。

2010年3月2日火曜日

● ウェルカム・バック、大西順子。



楽興の時 / 大西順子, 2009






待ってました! というのが聴く前の感想。
実際聴いてみると、期待通りの大西順子の音楽ではないが、長く聴き続けることができそうな感想を抱いた。
感覚で表現すると、派手さ、キャッチー感、ドライブ感は薄れたが、ウネウネ感が増した。
一聴するとゴリゴリ感も薄れたが、タッチを変えて内面的にゴリゴリ行ってるような気がします
(何言ってるのか自分でもわかりません)。
「あれ? なんか違うなあ……いや、やっぱり大西順子か」という感じです。

要はまだよくわかってません、つかめてません。
でも、長く聴いてみたいと思ってるのは事実。次作に注目。

そうそう、大西順子といえば、わたしは勝手に「モンク・ミンガス・エリントン」の系譜に連なる音楽家だと考えてます。
選曲とか和音の感覚とか、すごく共感できる。その流れで考えると、#1の「Hat and Beard」はいきなり「キター!」って感じだったけど、エリントン臭は皆無。
やっとエリントン臭くなったのはボーナストラックの「So long Eric」(ミンガスだ)で、「Mood Indigo」と「Do Nothin' Till You Hear From Me」。ちょっと取って付けた感はあるけれど、エリントンへの目配せも忘れていないということか。
モンク、ミンガス、エリントンへの今後の解釈にも注目。

タイトルの「楽興の時(Musical Moments)」は、シューベルトとかラフマニノフから来てるのかな。
不勉強なので、このタイトルを初めて目にしたときはアドルノに由来するのかと驚いた。
すごい、大西順子は身を潜めている間アドルノなんて読んでたのか、と。
もちろん、アドルノの方がシューベルトやラフマニノフに言及してるわけなんだけど。

2010年2月18日木曜日

● 完成度高し! 「作り込んだ感」あふれる名盤。



ANIMATION / NONA REEVES, 1999











ノーナを聴き始めるきっかけとなったアルバム。これ、何度聴いてもいいアルバムだな~。
かなり「作り込んだ感」があって、そのせいでやや息苦しさを感じないでもないけど、その分完成度は高い。
特に、#1の「渚のチューブ・ライダー」とか、#16の「トーキング・アウェイ」は恐ろしくなるくらいの完成度。切なさ剥き出しの、ドカーンとしたノーナもいいけど、ノーナのこういう面も好きなんだよな~。

いまamazonみたら、このCDは廃盤扱いなのか…。「出品者」から買えるみたいだけど、こんな名盤が廃盤ってのはちょっと悲しいな。


仕事、今度はドイツ語関係も来たけど、納期を考えるとちょっと無理。残念だけど断りました。

2010年2月17日水曜日

● 10年は続けよう。



マシロケ / SOIL & "PIMP" SESSIONS, 2007










ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ!
かなり好きなバンドのひとつ。私自身、メンバーとほぼ同年代なので、発言や選曲、音楽への姿勢が共感できるんだよね(バックショット・ルフォンク(Buckshot LeFonque)のカバーとか、スパイク・リーの『モ・ベター・ブルース』をカバーする発想って、他の世代からはなかなか出ないんじゃないかな)。

このCDはマキシで、収録曲の「マシロケ」はアルバム『PIMPOINT』に収録。Hannnibal Marvin Petersonの「Mandelas Dream」は今のところアルバム未収録曲なのかな。3曲目はセッションの録音。

付属の歌詞カードというかメンバーのコメントが面白い。社長はあんな外見なのに一人称は「僕」だし、タブゾンビの熱い言葉もいい。

でも、一番グッときたのはベースの秋田・ゴールドマインの言葉。


ベースを弾き始めて10年。
楽器を始めた時、ちょうど成人式でした。
僕が行った式では、秋山仁という数学者が話をしてくれた。
彼は「何でも良いから一つの事を10年は続けなさい」と言った。
彼のことは、昔から好きだった。
僕はその時決めた。
10年は必死になって楽器を弾こう。


こういうの読むと、心から「自分は何やってんだ…」と思います。
ソイルはこれからもブリブリ行っちゃってください。
私も追いつけるよう頑張ります。

2010年2月16日火曜日

● まとまりつつあるエネルギー。



6 / SOIL&“PIMP”SESSIONS, 2009










WALKMANで聴く関係で、ミュージシャンごとにCDをデータ化している。
最近はSOIL&“PIMP”SESSIONS。
今のところ、これが最新作。
いつも通りのソイルの音楽だけど、ややエネルギーがまとまりつつあるかな。
リスニング・ミュージックとして聴ける曲が多い。
#6の「POP CORN」や#10の「MIRROR BOY」など、キャッチーな曲も多い。
嬉しいのは、#9の「MY FOOLISH HEART」で椎名林檎をゲストに迎えていることだ。
椎名林檎の『三文ゴシップ』にはソイルも参加してるけど、両者のつながりはもっと前までさかのぼることができる。確か、椎名純平のツアーにタブゾンビが参加したりしてるんじゃないかな。そのあたりから椎名林檎と面識ができたんじゃないかと思う。

ジャズファンをニヤリとさせるカバー曲、今回はオリバー・ネルソンの「STOLEN MOMENTS」。
やっぱり選曲センスあるな~。ただ、完成度はもうひとつか。でも、これはこの曲はUNITED FUTURE ORGANIZATION (U.F.O.)のカバーが決定版という印象が強いせいかもしれない。

そんなことを考えながら仕事をしてたら、また新しい仕事が! 昨日の菊地のアルバムと何か関係あるのか、フランスの仕事。軽いシンクロニシティといったところ。
ソイル聴きながら、勢いに乗ってやろう。