2017年4月7日金曜日

『FROZEN DAYS』山下洋輔トリオ、 河野典夫による解説

  

河野典夫による、モンクと山下洋輔に関するエピソード。
別のところで引いた文章だが、ちらほらと需要があるようなのでここにも引いておく。

「マイフェイヴァリット・シングス」抜粋
『FROZEN DAYS』山下洋輔トリオ、 河野典夫によるライナーノーツ


(中略)
ーーきみ(山下洋輔)は、日本のセシル・テイラーじゃないよ。
ぼくは、セロニアス・モンクという感じがする。
そう、ぼくがいうと、
ーーそのほうが嬉しいな。
と、うなづく彼の素直さが好きだ。

その夜、たまたま出会ったグループと、ぼくの誘拐癖に乗って、
ぼくの家の、インド、ネパール、バリ島などの不思議な楽器をいじりまわし、ついに門外不出の歴史的録音を残して行った、彼の飲みっぷりが好きだ。

さて、その夜も明けそめる頃、セロニアス・モンクのソロ・レコードを聞きながら、カーペットの上に伸びていた彼は、いつか、安らかな寝息を、立てはじめていた。
ぼくは、そっと、レコードを停めたが、瞬間、彼の寝息はとまり、静かな低音が、きこえて来たのだ。
ーー裏をかけてくれませんか?

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